品種改良競争2
このようにながめてくると、花木の品種改良は日本の江戸中期では明らかに世界のトップに立っていたということができる。
アサガオといえば、日本人ならだれも知っているありふれた花 種である。
その原種は中国南部からヒマラヤ中腹の地帯の、人家の付近などに野生する青花の蔓草である。
アサガオははじめ中国で、約一七〇〇年前頃から種子が薬用とされ、その栽培もはじまったらしい。
日本に渡来したのは奈良朝の末期らしく、やはり薬用植物としてその種子がもたらされた。
「万葉集」にはアサガオを詠んだ歌は五首あるが、その頃にはいまのアサガオはまだなかったと考えられ、これはキキョウのことであろうと、だいたいにおいて諸説が一致してきている。
アサガオはその後ながく薬用植物として日本で栽培されてきたが、観賞用となったのは江戸時代に入ってからである。